上野センセーの「平等に貧しくなろう」にも一理ぐらいはある、かも

ちょっと乗り遅れた感ありますが、上野千鶴子センセーの中日新聞の寄稿がプチ炎上していたので感想を。

この手の「脱成長」的な話がナンセンスなのは、いろんな方がもう議論しつくしてると思います。

togetter.com

ただ、(ナンセンスであることを前提に置きつつも、)

日本は人口減少と衰退を引き受けるべきです。平和に衰退していく社会のモデルになればいい。一億人維持とか、国内総生産(GDP)600兆円とかの妄想は捨てて、現実に向き合う。

という指摘は、一定程度は意味があるのではないかと思います。

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一億総活躍社会に向けて社会保障のバージョンアップを

みなさま本年もよろしくお願いします。

今年はブログの更新頻度向上、月2件、年24回書くのが目標です。忘れないようにカウントダウンしようと思います。

 

さて、Yahooニュースにフローレンスの駒崎さんが「2017年にはぶっ壊したい、こどもの貧困を生みだす日本の5つの仕組みとは」というタイトルで問題提起しており、中でも5番目に出てきた「医療的ケア児は普通に学校にいけない」のくだり、新年早々興味深く拝読しておりました。

 

医療的ケアを必要とする子供は増加傾向

NICU(新生児集中治療室)・PICU(小児集中治療室)の充実などの医療体制の整備に伴い、これまでなら生存できなかった子供の命が助かるようになってきているそうです。その一方で、経管栄養や喀痰吸引(たんの吸引)などの医療的ケアを必要とする子供は着実に増えている。

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さて、経管栄養や喀痰吸引などを”医療的”ケアと呼ぶのはなぜでしょうか?これらは「医療行為」とされ、基本的な看護職員のみができる行為とされているからです。

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WELQは対岸の火事ではない

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最近話題のWELQの件、

①リライトという名の著作権侵害(法律上の問題)

②薬事法違反の根拠のないいい加減な記事を掲載(法律上の問題)

③アクセスを稼ぐことにしか興味がなく、医療というセンシティブな話題を扱っているのに、必要な正確性や客観性を担保する努力がない(倫理上の問題)

 という3つのポイントがあるものと認識している。

 

WELQ、というかDeNAのやったことについては、BuzzFeed Japanやまもといちろう氏の記事が非常に詳しいので、そちらを読んでいただければと思います。

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地方議会に優秀な人材を呼び込むには

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ちょっと話題に乗り遅れた感ありますが、春から少しずつ火の手が上がり始めていた富山市議会が9月に入って大炎上しています。

 

デイリーニュースオンラインのコラムが事の経緯を非常に簡潔にまとめていたので、引用します。

 富山市議会がたいへんなことになっている。政務活動費の不正が発覚し、辞職者が相次いでいる。定数40人のうち8人が辞職することになる(17日現在)。なんでこんなことが「バレた」のか。

 

 事の発端は、6月に富山市議会が月額報酬の10万円増を決めたことから。つまり、議員の給料を月60万から70万にアップすることを決めたのだ。これを知った市民からはブーイング。

 

 そして事件が起きた。この件を取材した北日本新聞社の女性記者が、「富山市議会のドン」と呼ばれた中川勇氏に押し倒されて取材メモを奪い取られる事件が発生したのだ。北日本新聞社は情報公開請求をし、お金の流れを丹年に調べたら次々と不正が発覚した。

あの号泣議員が貢献?政務活動費の不正で富山市議会が大混乱 - デイリーニュースオンライン

 

議員報酬引き上げで北日本新聞と中川元市議がトラブって、根掘り葉掘りされたところ、パンドラの箱()が開いてしまった・・・ということのようです。

 

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富山の土地開発の変遷と今後のあり方について

国交省が昔からコツコツデータをつくって公表してきた「国土数値情報」というものがある。標高や河川、海岸線などの地形情報の他、道路、鉄道などの交通網、全国の学校やニュータウンの位置など、だれが使うともわからないようなマニアックなデータが様々に取り揃えられている。

 

7月くらいから富山の都市構造について、主に人口構成や属性に注目していろいろ調べてきたが、今回は視点を変え、国土数値情報の土地利用状況データに着目し、経年変化を追ってみた。*1

 

元となった「土地利用細分メッシュデータ」は、地図を100メッシュの区画に切り、その土地利用状況を田、森林、建物用地、河川、湖沼・・・などの用途にそれぞれ分類したもので、土地の開発状況の展開が記号でわかるスグレモノだ。

 

*1:ちなみに、このデータ自体は以前から公表している人口のメッシュ図作成時にもデータを変形させるための係数として使用している。

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他県からの転居者数を比較してみたけど地獄でしかなかった件について

5年に一度行われる国勢調査、事細かに統計が公表されていて、細かく見ていくとすごい発見がある。

 

2010年の国勢調査では、5年前(2005年)にどこに住んでいたかが調査されている。しかもこのデータ、丁目単位でも集計されているため、例によってメッシュに落とし込んでいくと、その地区に住んでいる人はどこから来ているかがなんとなく見えてくる。*1

 

今回は、東京・富山・石川の3都県について、「5年前の住所が他の都道府県だった人」を500mメッシュに落とし込んでみた。公表データの限界により、数字はすべて「転居してきた人」の数であり、転出分を差し引いたネットでの出入りではありませんのでご留意ください。

 

*1:残念ながら丁目単位のデータでは集計項目が「現住所」「同じ市区町村内」「同じ県内」「他県」「国外」など、ある程度まとめられてしまっていて、どの県から来ているか等はわからない。ちなみに市町村単位での集計ならば○県○市までわかる。

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富山で外から人が入ってこない地域はどこなのか

前回のブログ、いろんな方に紹介していただき、BLOGOSやアゴラに転載されてないのに意外とアクセスが多く、反響に驚いている。

 

前回、地域別に世代の偏りがある原因について、持ち家率の高さが関連しているのでは?という仮説を立てたので、違う切り口からこれを考えていきたい。

 

今回は、国勢調査の居住期間の統計を使用。「20年以上居住している」又は「生まれた時から居住している」と回答した人数の比率(長期居住比率)を500mメッシュで推計した。

この比率が高いということは、単に地域に人が定着しているというだけでなく、外から人がなかなか入ってこない地域であるということも示している。 

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