地方空港の役割

富山空港が開港して今年で50周年を迎えるらしい。

http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20130825/CK2013082502000020.html

石井知事「羽田乗り継ぎ 利便性確保を」

 富山空港(富山市秋ケ島)の開港五十周年を祝う式典が二十四日あった。

式典後に石井隆一知事は「富山から国内各地や海外との結節として羽田を利用できるよう乗り継ぎの利便性を確保したい」と強調。東京便と競合する北陸新幹線の開業を二〇一五年春に控える中、多くの便が発着する羽田空港と接続する東京便の利点を生かす考えを明らかにした。

(以下略)

 今、富山ー東京間は飛行機で1時間半程度(搭乗手続き等の時間含む)、対する鉄道は途中1回の乗り継ぎを含めて4時間程度。チケットの価格差が約5000円をあることを考えても、空路が相当の優位性を持っている。

 

2年後、2015年春には北陸新幹線が富山・金沢まで延伸すれば、東京ー富山間が乗り継ぎなしで2時間程度になり、優位性は一気に逆転するだろう。2時間程度といえば東京~一ノ関ぐらいだけど、岩手ー東京間の機関分担率は鉄道がシェアの9割弱を占めている(空港アクセスがあまりよくない岩手と比較するのはフェアじゃないので、より空港アクセスがいい宮城と比較してもやはり9割が鉄道)。単に富山と首都圏の交通需要に応えるというだけでは、富山空港がやっていけなくなるのは間違いないだろう。新しい需要を発掘するのは欠かせない。

 

新幹線だけじゃなく、高速道路とかも含めてのことだけど、全国的に交通ネットワークの整備が進んできた中で、特に地方において空港という交通インフラがこれからどういう役割を果たしていくのか?というのが強く問われているのではないかと思う。

具体的に言えば、今までは高速交通は「いかに早く首都圏と『オラが地域』を結ぶか」が注目されていたけど、そういう大都市志向の交通インフラから脱却しないといけないのじゃないかということ。

 

鉄道やバスは線路や道路が通っていないと旅客や貨物を運ぶことができないけど、空路については2つの空港があれば経路に依存せずに2点間を結べるという点に優位性があると思う。

たとえば北陸ー東北とか、北海道ー四国とか、東北ー九州とか、地方都市・地域同士を移動するには、これまで鉄道かバスで何時間もかけていくしかなかったけど、こういうスキマを埋める交通手段になりうるのではないか。

仕事で広島・島根・宮城と地方勤務をしたけど、帰省の時にえらい大変(特に島根からは特急と新幹線で片道7時間くらいかかった)で、こういうところが空路の乗り継ぎで円滑につながればすごく楽になると思う。

 

ただ、たとえば富山ー島根間なんて年間6千人ぐらいしか需要がない。そんな路線つくったって自然体では商業ベースにはのらないだろう。なので、全国の地方空港と共同して、成田か茨城あたりに、徹底的に旅客をあつめる国内のトランジットハブ空港を作って、そこから四国へ行ったり東北へ行ったりできる、というのはどうだろう。

たとえば、全国から広島へいく需要は年間約3,400万人。その大部分は近隣県や大都市からの需要だけど、そうじゃない遠隔地である北海道・東北・北関東・北陸から行く人だけでも67万人とそれなりの需要がある。こういう需要を集約し、ハブ&スポークスにすることで地方同士のネットワークを充実させることができないだろうか。

 

その点、富山空港は今は「羽田で乗継」を押していて、すごく近い考えなので面白いなとは思うものの、政府の方針は羽田をどんどん国際化させる方向だし、貴重な羽田発着枠を、鉄道との競争が激しい路線にいつまで使えるだろうか?という感じもする。(イメージだけですが。)

 いちユーザーとしては、オプションは多いに限るので、ぜひ羽田便は存続してほしいと思っていますが、現状維持を図るだけじゃなくて、そこから一歩先に進んだ交通ネットワークの確立も目指していく必要があるのでは?と思う今日この頃です。