「田舎は物価が安い」神話の嘘

「田舎って物価も安くて、暮らしやすそうですねー」

 そんな風に思ってる人、結構いるんじゃないでしょうか。

 

確かに、日本で一番地価が高い住宅地の1平米あたり280百万円に比べれば、富山県で一番高い舟橋南町の9万円/m2なんてゴミみたいなもんではあります。当然、今僕が住んでるのと同じぐらいの部屋を東京で探せば、家賃はおよそ1.5倍から2倍に跳ね上がりますし、そんな家賃払ってたら、ただでさえ自転車操業のうちの家計は火の車を通り越して炎上して焼け落ちてしまうのは間違いないです。

 

ただ、一方で地方都市には地方都市なりのコストがかかることも理解しておいた方がいいと思います。

 「田舎は物価が安い」というとき、たいていの人は地価のことしか考えてないのではないかと思います。確かに田舎の地価は安いことは間違いないですが、ちょっと考えてみてください。家計の中で住居費が占める割合なんて2~3割、多くて4割がいいところでしょ?

毎月の収入の半分以上は光熱費や食費、交通費等にとられていくわけです。ここの部分は、田舎だから安い、ということは断じてなく、むしろ田舎だからこそ不利な面もあります。

 

たとえば食費なんて、富山だからって1本120円の缶コーヒーが90円になるわけでもなく、富山で100円の肉まんが東京で200円するなんてことはない。物流網も発達してる日本では、東京にいようと大阪にようと富山にいようと、消費財の価格はだいたいは変わりません。

 

逆に、光熱費、特にガスなんかは、田舎になるほど規模の経済が働きにくくなるため不利になります。東京だとほとんどの家庭が都市ガスだと思いますが、富山だと市内の中心部を除いてプロパンガスが一般的です。プロパンガスは個別にボンベを配送するのでどうしても料金は高くなります。*1

 

そして何より一番大きいのは交通費です。東京のように公共交通で都市内を隅から隅まで移動できる都市はめったにありません。仮に運よく駅から徒歩圏に部屋を見つけられたとしても、勤務先も公共交通機関で行けるとは限らないのです。

車を1台買えば安くても100万円程度かかりますし、毎月のガソリン代はもちろん、安心して走るためには保険にも入らないといけません。これも40代、50代になればまだしも、20代ではゴールド免許だって年間10万円ぐらいはかかってしまいます。その他にも、雪国ならスタッドレスタイヤ(4,5万円)はかかるし、2年に1度の車検も必要です。車を置いとくのだってタダでは出来ないですから、いくら田舎だって1台当たり5000円ぐらいの駐車場代がかかります。

モロモロ考えれば、毎月数万円は車を持っているというだけで金が溶けていくわけで、これは車が生活必需品である田舎特有のコストでしょう。

 

田舎だからといって安いコストで悠々自適に生活できる、なんてことは幻想もいいところで、地価の差と田舎ならではのコスト増はうまくいってもキャンセルアウトできれば御の字。自分だけじゃなくて家族の車代なんかも考えれば、むしろ高くなる可能性の方が高いと思います。

そのコスト増に見合う稼ぎ方をちゃんと考えないと、Uターンしても意外に経済的に辛い思いをして「こんなはずじゃ・・・」となりますよ(半分自戒ですが)。

*1:その点、電気料金は発電所で一括して発電するからか、地域差はほとんどありません。エネファームよりオール電化住宅が強いのはこういう要因もあるんだと思います。