2014年政府予算案から見る日本の将来

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(出典)平成26年度予算政府案 : 財務省

12/24、クリスマスイブに平成26年度(2014年度)予算の政府原案が閣議決定されましたね。毎年、クリスマス前後に決まる政府原案。関わったみなさんお疲れ様です。

 

さて、2014年度予算の公債依存度は43%国債残高は780兆円になる見込みとなっています。来年度予算では消費税増税(8%)による増収が見込まれいて、今年度の公債依存度46%に比べると若干の改善がみられる。

ただ、基礎的財政収支(一般会計において、歳入総額から国債等の発行(借金)による収入を差し引いた金額と、歳出総額から国債費等を差し引いた金額のバランスを見たもの)はまだマイナス18兆円で、プライマリーバランスの黒字化は程遠い、といった状況。

消費税1%あたりの税収はおおよそ2兆円程度ですから、再来年10%まで増税しても+4兆円ぐらいにしかならない。少なくともあと7%ぐらい増税しないとプライマリーバランスは黒字化せず、財政も発散しちゃうわけです。

 

一方で、つみあがった780兆円もどうにかして崩していかないと、ちょっと金利が上がっただけでやっぱり破綻してしまう。今は金利1%ぐらいで支払ってる金利は年8兆円ぐらいですけど、これが2%になるだけで金利は倍の16兆円。消費税もさらに4%ぐらい増税しないといけなくなる。

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(出典)利払費と金利の推移 : 財務省

仮に国債の金利が今よりたった1%あがっただけでも、プライマリーバランスを黒字化させるのに必要な消費税率は20%は軽く超えてしまう。100万円でコンパクトカー1台買うにしたって、今は消費税5万円ですけど、4倍の20万円も課税されるわけです。

ここからは単なる思考実験ですけど、仮に道路公団よろしく40年で780兆円を償還しようとすれば更に10%、もう少しマイルドに60年で償還するなら7%の増税になります。消費税率をたかだか5%上げるだけでもあんなにガタガタやって政権も変わってしまったのに、さらに10%以上あげるとなれば首相の首がいくつあっても足りない。

しかも、計算は歳出が変わらないという前提ですけど、社会保障費が今後もバカバカ延びるのは間違いないですから財布のひもは緩まざるをえないのに、高齢化がピークアウトしても少子化で税金を払う人数はこれから益々減っていくのでインカムも減っていく。放っておいたらプライマリーバランスは悪くなる一方というのがこの国の基本的な構造です。

もちろん、税収は消費税以外にもあるので、こんな計算、思考実験でしかないですけど、すでに国際的に法人税は値下げ競争が始まっていて、法人に対する増税の余地はほとんどないに等しい。消費税にかかるのか贈与税にかかるのかはわかりませんが、課税される対象は個人になるのは避けられないのが現実です。

 

こうなってくると、遠からず、これまで「当然に行政がやること」とされてきたもの(社会保障や公共事業、産業振興などなど)のうち、かなりのものが行政の手からこぼれ落ちざるを得ないんじゃないかと思っています。そうなったとき、我々が今までと同じ水準もしくはそれ以上の生活をしようと思った場合、「誰が役所の代わりをするのか」ということが問題になる。

 

5年後なのか10年後なのかわからないけど、行政がギブアップする領域というのがバンバンでてくるのは間違いないです。ここ数年、ソーシャルビジネスが話題になってますけど、そういう、官でない存在が、ビジネスベースで公的なことをしていく、というところに、今後のビジネスチャンスがあるんだろうな、と。