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U-Turner's Journal @Toyama

富山にUターンしてきました。

人口減少で土地ババ抜きゲームが始まる

日本創成会議が発表した2040年の推計人口が大変話題になっている。この推計は市区町村を単位に、単なる自然増減だけでなく社会増減(都市への流出)を考慮したものとのこと。

要は、田舎は女の子も「オラ、東京さいぐだ!」とかなんとか言って都会へ出て行ってしまうのだから、今いる若い女の子はその都市で子供産むとは限らないよね、というある意味当たり前の仮定を置いて計算したということです。

試算結果は下の図のとおりで、色がついているところが2040年に女性人口が半減するとの結果になった自治体です。北海道と東北はほとんど色がついてますね。

秋田県は全域で女性半減です。2040年には秋田小町は絶滅危惧種ですね。秋田新幹線「こまち」も「なまはげ」あたりに改名でしょうか。

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 今までは地域内の問題だった過疎の問題が、いよいよ市区町村レベル~都道府県レベルにまで拡大してきたなという感じがします。

富山市中心部から車で1時間弱に位置している、僕が大昔に通った小学校区は今年は1,2年生がゼロ人だったそうです。地元の中学校の生徒数もこの15~20年ぐらいで約3割ぐらい減っているらしい。

今や大学進学率は50%を超えるらしいですが、富山みたいな田舎都市では大学進学となればニアリイコール県外進出です。そのまま大学所在地で就職するパターンも多いでしょうから、放っておけば少子高齢という自然の人口動態以上に、社会的な理由で流出していくでしょうね。

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(出典)土地総合情報ライブラリー | 国土交通省

このグラフは全国での宅地の供給量の推移です。バブル崩壊後から少しずつ少しずつ減少してきていますが、今なおかなりの量の宅地が開発され、市場に供給されています。区画整理で再生産されている部分もあるので、一概には言えませんが、ストックとしての宅地の量は今なお着実に増えていると推測されます。

 

改めて日本の将来人口推計がどうなっているかというと、現在1億2000万人いる人口は2050年には1億人を割り込むという予想となっています。

そういう予測にも関わらず、H22年度には4600haの宅地が供給されています。実に東京ドーム1000個分の土地が毎年宅地になっているわけです。しかも、その約4割は、人口が流出し、急激に高齢化が進んでいく地方部の土地に供給されています。

 

富山を含む北陸は持ち家志向・新築志向が強く、毎年どこかで農地が転用され、宅地が分譲されています。前述の僕の故郷でも、田舎町の中心に近いところから住宅開発が進んでいる。それでも今はそれなりに人が住んでいるからいいけれど、これから先、若者が都市へ流出し、高齢化が進んだらいったいどうなるか。

 

人口を再生産できなくなった土地には、誰も住まない宅地だけが残ることになるのは明らか。しかもタチが悪いのは、田畑は腐っても田畑でまだ農業をすれば富を生む余地はあるけど、宅地はそれ単体では何も富を生まない土地だということ。

これから先、親は地方で生活し、子は都会でサラリーマン、というパターンの家庭がたくさんでてくると思います。これで親が亡くなりでもすれば、親の住んでいた家と土地は、売ろうにも買い手がつかず、生産性がないため利益ももたらさず、それにも関わらず固定資産税だけはそれなりの額を払い続けなければならないという完全な不良債権になる。

 

これまではそういう問題は、山奥の過疎地の問題だったかもしれませんが、これからは市区町村レベル~都道府県レベルでこの不良債権化した土地をめぐるババ抜きが起こるはずです。最終的には相続放棄され、荒地だけが残ることでしょう。

 

これから土地を買って家を建てようという方は、安いからと言ってあんまり辺鄙なところの宅地は買わないほうがいいでしょう。土地神話は崩壊したとはいえ、土地は価値の減耗がない資産であることに変わりはありません。将来もニーズがある立地を見極めましょう。

 

さらには、相続放棄され所有者がいなくなれば市町村税の約4割を占めている固定資産税にも大きな影響があるでしょう。もちろん、どんな田舎町にもそれなりの地価のところはあるのでこれが一気にゼロになるとかはあり得ないと思いますが、基幹となる税収が減り、人口も減り・・・となるとコミュニティどころか基礎自治体としても財政が維持できるか怪しいところです。

これからの自治体は、「街コン」なんか開催してる暇があるなら産業を誘致して仕事と定住人口を増やすことに本気を出さないとヤバいです。人口が減って、その都道府県の中心都市の地価が下がってくると、仕事もないのに田舎に好き好んで住もうとする人はまずいなくなるはずです。ベッドタウンとしていい立地にあるなら徹底的にベッドタウンに徹するという手もあるかもしれませんが、それで生き残れるのは三大都市圏ぐらいのものでしょう。産業を引っ張り、職場を作り、定住人口を増やさないと財政的に持たなくなる。財政がダメになり、行政サービスがダメになればもはやそこには誰も住まなくなります。