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U-Turner's Journal @Toyama

富山にUターンしてきました。

『なんで官僚辞めちゃったんですか?』の理由(②インフラは”つくる”だけでは勿体ないと思った)

国交省退職1周年記念ということで、最近聞かれることが多くなってきた『なんで官僚辞めちゃったんですか?』の理由を備忘録的に書いています。

『なんで官僚辞めちゃったんですか?』の理由

理由その0:理由の前に、自分の職務経歴

理由その1:肩書に左右されない”個人”として生きたかった

理由その2:インフラは”つくる”だけでは勿体ないと思った

 

理由②:インフラは”つくる”だけでは勿体ないと思った

国土交通省はインフラをつくることを主たるミッションの1つにしている官庁です。僕もその一員として、道路をつくり、堤防をつくり、鉄道をつくり、岸壁をつくってきた。

最近こそ「維持管理の時代や!(ドヤァ」とか「ストック活用の時代や!(ドヤァ」とか言ってますけど、やっぱり国交省の軸足はまだ建設に置かれている面が否定できない。審議会の名前は社会資本”整備”審議会だし、長期計画は社会資本”整備”重点計画だし、交付金も社会資本”整備”総合交付金だし…etc.

 

全国のいろいろなプロジェクトにかかわって知ったのは、インフラっていうのはその土地その土地で、ものすごい期待を背負って産まれてくるのだということです。その中身は安全安心かもしれないし、観光かもしれないし、産業かもしれません。

特に過疎の地方都市では、新幹線や高速道路なんて起死回生・一発逆転の頼みの綱だったりするわけです。

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とはいえ、すべてのプロジェクトが100%すべての人に歓迎されて世に出てくるわけではありません。歓迎されない理由は、自然環境だったり、工事の影響だったり、政治的スタンスの問題だったりいろいろあります。

事業評価も担当していたので、そういうネガティブな意見をたくさんぶつけられたし、それに対する反論を考える仕事もしたことがある。中でも特に印象的だったのが、ストロー効果についての批判でした。

 

 ストロー効果というのは、例えば新幹線や高速道路みたいな高速交通網ができると、その交通網がまるでストローのように通り道になって都会に人口や経済活動が流出してしまう現象のことです。

「ストロー化がおきてオラが村にいいことなんてないのだから、こんな公共事業に反対である」という使い方が多いです。

 

これについては、想定問つくりながらいつも思ってたのは、ストローで外から吸ってこれるのか、それともストローで相手に吸われるのかは、もはや国がコントロールできる範疇を超えているよね、ということでした。その地域に魅力がなければヒトもモノもカネも吸われてしまうけど、逆に、やりようによっては大都市圏からヒト・モノ・カネを引っ張ってくることだってできる。それはあくまで地域間の競争、企業間の競争、人と人との競争です。

 

放っておけば高齢・過疎で自然消滅していくしかない土地に風穴を開けることで、新しいチャンスを生み出すというところに高速交通インフラの本質的価値があって、それを前提に、どうやって相手を吸えるかをそれぞれの地域が考え、競争する。それによって日本全体が良くなるんじゃないでしょうか。

吸われる、吸われる」「問題だ、問題だ」と言うのは簡単ですけど、狭い地域に閉じこもって餓死するのを待つのだけが正解というわけではないでしょう。

 

極論ですけど、ことインフラに関して国の役割って何かといえば、こういう「ヒト・モノ・カネが動き、生み出される基盤をつくる」ことで、そのインフラをどう使って何をするかについては国は当事者にはなり得ないんだと思ってます。

そう気づいたとき、「僕がやりたいのは『基盤をつくる』側なのか、『基盤を使う』側なのか、どっちだろうか?」という疑問がわいてきました。

 

「基盤をつくる」という所作は、地図に残る仕事だし、事業費も桁外れに大きく、たくさんの人が関わる事業で、すごくやりがいがあり、面白いことは知っていました。ただ、一方で現下の日本国の状況を、というか地方都市の現状を見たときに、果たしていつまで「基盤をつくる」側にいるのか?とも思ったのです。

 

せっかく産まれてきたこの基盤を活かすための仕事をする人間が、特に地方にはもっと必要なんじゃないか。

こんなに苦労して立ち上げて出来上がったプロジェクトが、もしうまく使われず、「ああ、あれはまったく無駄だったね」と言われてしまったら、こんな悲しい話はないんじゃないか。

 

別にインフラ行政が嫌になったというわけではありませんでした。むしろ、仕事を通じてその重要性、世の中からの期待を強く感じるようになりました。

でも、 「インフラは大事だ!」と思えば思うほど、『使う側』に回ることが大事ではないかと思うようになったのです。

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『なんで官僚辞めちゃったんですか?』の理由

理由その0:理由の前に、自分の職務経歴

理由その1:肩書に左右されない”個人”として生きたかった

理由その2:インフラは”つくる”だけでは勿体ないと思った

理由その3:(気が向いたら書きます)