高齢サラリーマンはどう生きるか

先日、富山なら誰でも知ってる地元の超優良企業のOBと知り合いになる機会があった。

その方、長く勤められた会社を退職され、今は取引先の会社に再就職して第二のサラリーマン人生を送っておられるそうだ。

 

たまたま別の機会に、その再就職先での仕事ぶりを知る機会があったのだが、大企業で30年超の間企業戦士として戦ってこられた割には、仕事ぶりが余りにも・・・とのこと。

組織もしっかりしていて、部下もたくさんいて、仕事も組織から割り当てられていて・・・という大企業の仕事の文化に慣れた身からすれば、組織も未熟・部下もいない・仕事も自分で作る、という再就職先での仕事の仕方に対応することが難しいということだった。

 

なんというか、企業戦士として30年以上かけて積んだキャリアの結末がこれなんですか、と思うと何故かこっちが泣けてくる。

pedrosimoes7 / Foter / CC BY

 

日本人の平均寿命が男女とも80歳を超えたという発表が厚生労働省からありましたが、たった半世紀前の1963年には男性の平均寿命は67歳だったらしいです。当時は55歳で定年になってもまあ10年ボチボチやっていければいいかな、という状況だった。*1

 

人生60年、定年も60年の時代は、組織に従順、サラリーマンとして組織に割り当てられた仕事をヨロシクやってれば間違いなかったんだろうけど、年金の支給年齢も更に引き上げられそうな今日この頃では、還暦から最低でも10年、70歳ぐらいまでは銭を稼がなくてはやってられなくなるだろう。

 

今や還暦から10年どころか20年は飯を食わなきゃならない時代になってる。冒頭のおっさんならずとも、企業戦士として30年、40年費やした人間に、まったく違う文化のところで、第二の仕事に従事するというのはかなり大変なことだ。

 

 

しかし、やる側もさることながら受け入れる側はもっと大変だろう。

 

人口が減るなら、元気な高齢者に働いてもらいましょう、という話がある。それは大変理想的だが、果たして60、70の高齢者を戦力として受け入れられる会社がどれだけあるだろうか。

エクセルも使えない、パワポも使えない、ITリテラシーゼロ、だけど大昔に就職したので部下を使ってなんとかやってこれました、みたいな人って巷に溢れている。

そんなおっさんサラリーマンははっきり言えば一兵卒以下なわけで、「高齢者の活用」なんて言っても実際には戦力にならない人を企業が介護してるだけ、という風になってしまうのではないか。これまでどんな仕事してようと、一兵卒として基礎的なスキルが欠落してたら話にならない。

 

逆に、そういう技能が欠落していてもなんとかなるのは、職人かサムライ業か肉体労働者だけど、今の、そしてこれからのおっさんサラリーマンたちは、そういう仕事に割り切って切り替えられるだろうか。

 

安易に定年が引上げられたりすると、そういう一兵卒以下のおっさんたちを5年、10年と社内で面倒をみなければならなくなる。そういう会社は少しずつ競争力が失われていくだろう。

 

以前、今後も増大する社会保障費は既に確定した負債で、是非を論ずる段階にない、というようなエントリを書いた。

社会保障費に限らず、ますます増大する高齢者を社会のなかでどう受け入れていくのか、また、高齢者自身がどう生きていくのか、というのは、直近で向き合わなければならない日本の大きな課題。



*1:平均寿命の推移の詳細はコチラ