富山市の人口を細かく予測してみた(後編)

2020年、2030年、2040年の富山市の地区別人口を推計しました。

Dropbox - 人口推計まとめ.pdf

 

1.総人口を維持できる地域はほとんどない

2010年比で2020年以降、総人口がプラスにできる地区はわずか5か所しかありません。

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この5か所のうち、五福と古沢は富山大学の学生が多いという特殊要因。

残る新庄北と速星、鵜坂は近年住宅団地の開発が進んでいるところです。

 

一昔前に住宅地として開発された堀川や呉羽、大沢野などの旧ベッドタウンはこれから一気に開発のしわ寄せを受けることになりそうです。

これらの地域は今後15年ほどかけて1500~2000人ほど人口が減っていく。住民はほどんどが一戸建てなので、1戸あたり2人住んでいるとしても700~1000戸ほどの空き家が各地区に発生するということになります。

 

2.”相対的”に進むコンパクトシティ

交通弱者となりがちな高齢者。路線バスの維持や冬季の除雪、道路インフラのメンテナンスなど、中山間地や過疎地の交通は非常に難しい政策課題になりつつあります。

旧山田村や旧細入村はもちろん、旧八尾町の大長谷や旧大沢野町の下夕といった、富山市の中山間地も同様の問題が出てくる。

しかし、これらの地域は、今後15年かけて急速に高齢者が減っていきます。

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婦中町の中心部、速星・鵜坂は30年で+100%と強烈な伸びが予測されていますが、それ以外の地区は2020年までに急増し、以降は微増というところ。

 

つまり、中山間地の高齢者は激減し、高齢者は相対的に平野部に集まる格好になりますから、高齢者の分布だけを見れば、相対的にコンパクトになっていくことになります。*1

その潮目を見極めながら、廃道などの中山間地インフラの再編を進めていく必要があります。

 

3.絶望するしかない子供の人口減少

20歳未満の人口はほぼすべての地区で減少することが確実です。

2020年には△10%、2030年には△20%、2030年には△30~40%となっており、例えば総人口が伸びている速星や新庄北であっても、同じトレンドにあります。

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 つまるところ、出生率が劇的に改善しない限り、今住んでいる人の再生産だけではとても人口規模は維持できないということでしょう。

 

 4.ざっくりとしたまとめ

・エリアを区切ってみていくと、富山市全体では減少していても、局所的には人口が増える地区もある。そのほとんどは近年開発された新興住宅地。

・ひと世代前に開発されたベッドタウンは今後急速に人口減少。それに伴って空き家も急増する可能性が高い。

・中山間地は今後急激に人口が減っていく中で、相対的に都市はコンパクトになる

・新興住宅地も出生率が改善しない以上、中期的には子供の数は減少。今住んでいる人たちの再生産では都市を維持することはできない。 

 

 

なお、大したことを書いてない前編はこちら。

*1:今回の推計では富山市のど真ん中の総曲輪も、新興住宅地の新庄北も、中山間地の山田村もみんな同じ流入率、流出率で計算しています。また、富山市内の移動(山田→婦中など)もカウントしていません。こういう地域内移動を加味するともっと急激に中山間地の人口流出が進む推計になるかもしれません。