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U-Turner's Journal @Toyama

富山にUターンしてきました。

NPO法人の意思決定コストと支配力についてつらつらと考える。

NPO法人の制度について調べている。

 

社会の問題をビジネス的手法をつかって解決する「ソーシャルビジネス」の受け皿としてNPO法人という存在に期待が寄せられている。

 

最近のNPO法人を取り巻く状況を見てみると、寄付した側が寄付金の税控除を受けられたり、収益事業で出た利益を寄付金として法人内で非収益事業に充てられるようになったりする「認証」の手続きが簡素化されるなど、平成23年の法改正でNPO法人という制度の使い勝手はかなり良くなったようだ。

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ただ、認証を得るには、多数の者からの寄付が要件になっていたり、同族経営や企業による実質的支配の排除が法で定められていたりと、税制優遇の対価として、それなりの条件が付されている。

 

マネーローンダリングの温床となる可能性がある以上、特定の者や企業に支配されることを防ぐというのは理にかなっているのは間違いない。認証の要件に多数の者からの寄付が課せられているのも、特定の誰かがパトロンになってしまうというのを防ぐという意味があるのだろう。

 

ただ、NPO法人は、原則として入会を制限できないようになっているので、会員が増えれば増えるほどガバナンスが効かなくなってしまうのではないか?という気がする。

 

例えば通常の株式会社であれば、株式という枠があるので議決権が無制限に増えるということはないし、支配権を強めようと思えば資本の力で解決できる。

NPOの場合、 一人一票で誰でも入会できる、特定の者の実質支配は禁止、大口のスポンサーもダメ、となると、どういう力で組織を束ねていくのか?という疑問が素朴にわいてくる。

 

小規模な組織で個人事業の延長でやっているうちは、創業者の技量やカリスマでなんとかなるかもしれないが、組織が大きくなっていったとき、本当にシビアな経営判断ができるのだろうか。

 

もちろん、非営利活動はNPOにしかできないわけではなく、株式会社や一般社団法人などの法人格も選択としてはある。目先の税制優遇やイメージだけでNPO法人を立ち上げてしまうと意思決定コストが高つきすぎて結局自分がやりたいことができなくなってしまうということもありうる。

経営の安定性や支配力と政策的な優遇は必ずしも一致しない。そこらへんは、どこまで組織をグリップするか、どこまでの税制優遇が必要か、ちゃんと考えて決めないといけないのだろう。