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U-Turner's Journal @Toyama

富山にUターンしてきました。

投票率を上げるには議員が「ムラの便利屋さん」になればいい?

毎日新聞に衝撃的な記事が載っていった。 

鹿児島・三島:離島の村 投票率、毎回ほぼ100%のなぜ

http://mainichi.jp/select/news/20150212k0000m040102000c.html

議員選挙の投票率が毎回、事実上100%の自治体がある。鹿児島県三島村。薩摩半島の南西約50キロの沖合、三つの離島からなる。

人口は先月1日現在375人だが、定数7の村議選が無投票となったことは過去に一度もない。

直近の2011年村議選では有権者279人のうち、棄権は寝たきりの高齢者ら5人のみ。投票率は98.21%だった。

「おばあの具合が悪い」。今年の元日午前4時半ごろ、黒島に住む村議会議長、日高重行さん(65)の携帯電話が鳴った。駆け付けると、93歳の女性が息を引き取っていた。

医師も警察官もいない。船は2日に1往復で、海はしけ、欠航が続いていた。急患用のヘリも飛ばせない。非常時の対応は地区長も兼ねる日高さんらに任される。遺体を保冷剤で冷やし、葬儀の手続きや納棺に追われた。正月3日、ひつぎは船に乗せられ、その船内で島を巡回する医師がようやく死亡を確認。そのまま鹿児島市内の葬儀場へ向かった。

「お前は何のために議員になったと?」「世間(本土)との違いをどげん考えとるとかっ」。硫黄島では、働かない議員を島民が取り囲み、怒鳴りつける光景もあったという。

60代の女性は「頼りにならない人は交代させる」と話す。投票率ほぼ100%の民意が村議会にもたらす緊張感は並大抵ではないようだ。経験者の一人が打ち明けた。「議員は24時間365日、監視されています

 

有権者279人に対して、定数7人ということは、40票とれば当選確実という計算になる。一世帯平均2人と仮定して、20世帯から支持を得られれば確実な話だ。

確かに、こまで個人の支持と当落が直結してれば、有権者の関心も高まるのは間違いない。

春日井市議会議員選挙(2011年)ポスター_03
春日井市議会議員選挙(2011年)ポスター_03 posted by (C)kyu3

 

これぐらいの規模の自治体であれば、きめ細かい対応をすることも難しくないし、公務員と違って任期つきなのでサービス改善のインセンティブも沸く。

 

ただ、この記事を読む限り、議員というよりは公募の「ムラの便利屋さん」という印象。

これを人口100万人の政令市に置き換えて投票率100%目指しましょうっていってもまるで無理な話だと思います。

仮に有権者率が7割として、70万人。三島村と同じ40対1で面倒を見るようなモデルを作るには1万8千人の議員定数が必要になる。あまりに非現実的といわざるを得ない。
 ※ちなみに人口110万人の広島市の市議会の定数は55人。


「住民の意見を聞く」という一言も、人口370人の三島村と人口370万人の横浜市では、意味がまるで違う。
三島村の村議は、地域の高齢者の具合をみるとか、葬式の手配をするとか、アプローチが極めてミクロ。定数一人当たりの人口が多いところでは、もう少しマクロな政策論的アプローチが必要だろう。

ミクロなアプローチとマクロなアプローチのどちらがいいというわけではないが、行政の効率化の観点から基礎自治体の合併による集積が進められていることを鑑みれば離島や山間地を除き、ミクロなアプローチは少しずつ難しくなってくるのではないか。


「ムラの便利屋さん」を任期4年の公募で選ぶ、というのは、地域によってはいいアイディアだと思うが、それを広く一般の選挙に当てはめて「こうやって投票率をあげましょう」という風にはいかないだろう。

 

むしろ、都市化が進んで「ムラの便利屋さん」でいるのが難しくなったというのが現在の投票率の低下の一因ではないだろうか。都市化に対応した議会政治のあり方を考えないと、本質的な改善にはつながらない気がする。