崩壊する同窓会

Merrimack College / Foter / Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivs 2.0 Generic (CC BY-NC-ND 2.0)

縁あって学生のときからいろんな同窓会とよく関わってます。

同窓会、というと、昔のクラスでみんな集まって飲み会して・・・みたいなイメージですが、同窓会という言葉には2つの意味があります。

意味①:「集まる場」としての同窓会

→これは、よく使われるように、ある集団(大体は学校)の卒業生が集まって当時を振り返るイベントのこと。

意味②:卒業生の集団・組織としての同窓会

→同窓生間の親睦・懇親、母校・後輩への後援などを目的とした卒業生による組織。意味①の「集まる場」を運営する場合もある。

 

最近、後者の「同窓会組織」の崩壊がかなり深刻になってきています。クラス会のような身内の同窓会(意味①の方)はかなり頻繁に開催されているのだけど、意味②の同窓会は、どこも会員の消息が把握できず、若手の”組織加入”ができていない

 

もちろん、同窓会というのは大体、卒業時点で有無を言わさず加入させられてしまうのだけど、「形式上加入する」ことと「年会費を納めて組織の活動に参加してくれる」ことはまったく別。後者の意味での”組織加入”してくれる卒業生は、どこの同窓会もだんだんと減っているのではないでしょうか。

 

 

今日も同窓会の総会に参加してきたのだけど、やはり60代、70代が中心で20代、30代は肩身の狭い思いをすることが多い。人口構成が逆ピラミッドになった今の日本の縮図なんだ、ということなのかもしれないけど、若年層総崩れ、という印象はぬぐえない。

いまや人生80年の時代、高齢者が多いこと自体は問題ではありませんが、組織の持続可能性を考えると深刻な問題につながりかねません。

 

 

 

なぜこうなってしまったか?

原因はいろいろあると思いますが、1つには携帯電話の普及とSNSの台頭の影響。

 

同窓会組織のビジネスモデルは、会員から会費をとってコミュニケーションチャネルとしての「同窓会」(冒頭の①の意味でのもの)を提供する、という形。

ところが、今や電話やメールでいつでも連絡とれるし、SNSで近況がリアルタイムで把握できる。今や同窓会組織のセットしてくれる同窓会に頼らなくても、自分たちで勝手に集まって同窓会ができるこんな便利な時代になって、なんで毎年金を払って連絡取るだけのために同窓会に加入する必要があるのか、ということになる。

 

同窓会離れは、人と人とのかかわりが薄くなって同窓会から離脱するのではなく、むしろ薄く広くリアルタイムなコミュニケーションのネットワークができてしまったために同窓会組織の紐帯が不要になってしまったということでしょう。

 

そう考えると、同窓会組織はビジネスモデルを転換しないといけない時期にきています。久しぶりに会えるね、という程度のモチベーションでは組織としての同窓会は早晩維持できなくなります。

 

今は人生100年の時代、健康寿命も延びているので今後も一定数は(高齢者の)OB・OGを集めることはできると思いますが、アクティブ会員の平均年齢が60歳とかでは持続可能性には疑義があります。

 

私は学生の時にお世話になったとか今の仕事でかかわりがあるとかがあるので可能な範囲で参加する様にしていますが、そういう義理でもないとただの立食パーティーにウン千円も出す若手はいないでしょう。

 

今後の同窓会組織の方向性は大きく2つあると思います。

1つは、SNS以上の上質なコミュニケーションを提供しそれの対価を会員からとるというもの。例えば、大学生にOB訪問的なことを提供したり、若手も含めて同窓会ネットワークをビジネスチャンスにつなげたりする機能を提供するとか。

もう1つは、会費制度から脱却して別の収益事業で組織維持するというもの。古典的なことろだと同窓会名簿作成があるけど、さらに派生させて人材紹介を行うとか。

 

いずれにせよ、単に同じ学校を卒業した人の集まり、という集団のままではいられないのは間違いないと思います。同窓会組織には潜在的には人的リソースが蓄積しているはずなので、それをビジネス的に掘り起こすことが必要です。

逆に言えば、こういう同窓会ネットワークが人材供給面で活躍することができれば、地方経済を下支えする新しいプレイヤーになるかもしれません。