堀川、呉羽、豊田といった富山市の主要な住宅地で、それぞれ1000戸程度空き家が出てくる。
堀川地区なんて半径1kmぐらいしかないわけで、そこに1000戸も空き家がでてくるとなると、これは自分で書いておきながらなんだけど、とても驚く結果だ。
この推計はざっくりのものなので、精度には疑問がないわけではない*1が、現状の人口分布を前提とするとこうなる、という今の延長線上としては1つのモノサシになるのではないかと思っている。
マジで余りまくる住宅地
「空き家が増えます」「住宅地が余りまくります」という話になると、そこに新しく(郊外などから人を呼んできて)住まわせればいいじゃないか、と思うかもしれないが、そういう風にも簡単にはいかないのではないかとも一方で思っている。
例えば南富山をテクテク歩くとわかるけど、やっぱり昔に整備された住宅地は街路が狭いとか見通しが悪いとか、融雪がないとか、基盤部分のスペックが低いので住みかとしての質は最近の分譲地に劣る部分がある。
ここが向上しないと、中心部は空き家だらけでスカスカ、郊外はひたすら農地転用される、という最悪の状況になってしまう。
オールドタウンの基盤部分をどう改善するか
木造密集地みたいに、明らかに防災上問題があれば税金突っ込んで区画整理というのもできるだろうけど、「住生活の質の向上」に対する支出というのがどれだけ認められるだろうか。
一方で、民間ベースで再開発となると利害調整は相当に難しい。持ち主が亡くなっていたりするとさらに話は複雑だ。
とはいえ、そこに誰かが手を突っ込み、再構築していかないと、いつまでも郊外開発は止まらないかもしれない。都心は空き家だらけ、郊外は開発されまくりのスプロール&ドーナツ化というのは最悪のシナリオだ。
*1:①富山市内の人口移動は考慮しない、②市外からの流入量は人口按分で均等に割り振る、という強引な仮定を前提としている。